はじめに|経理部でなぜメールトラブルが多いのか
経理部は「請求書」「支払依頼」「取引先対応」「決算資料」など、
メールが届かないと大きなトラブルにつながる部署です。
最近特に増えているのが、
- 取引先にメールが届かない
- Outlook(Microsoft系)だけ迷惑メールになる
- Gmailに送っても相手に届いていないことがある
といった “独自ドメインメールの不達問題”。
原因の多くは、サクラサーバー利用時に
SPF / DKIM / DMARC のメール認証が正しく設定されていないことです。
Microsoftは他社よりも迷惑メール判定が非常に厳しいため、
設定の有無がメール配信成功率を大きく左右します。
1. 経理部がまず確認すべき「SPF」設定とは?
■ SPF(Sender Policy Framework)とは
「このドメインのメールは、どのサーバーから送信してよいか」
を証明する仕組みです。
SPFが正しくないと、受信側(特に Outlook)は
「なりすましの可能性がある」と判断し、迷惑メール行き、もしくは受け付けません。
■ サクラサーバー利用企業がやりがちなミス
サクラの初期SPF設定は最低限の構成のため、
- WEBフォーム(PHPMailer)が別のIPから送信している
- Gmail SMTP や他サービスから送信している
などがあると、SPFにその送信元が含まれておらず不達になることがあります。
■ 正しく設定すべき SPF(実例)
以下は実際に正しく改善できたSPF設定例です👇
v=spf1 a mx include:spf.secure.sakura.ad.jp ip4:112.〇〇.112.〇〇〇 ~all
これにより、
- サクラのメールサーバー
- Webサーバー(フォーム送信用)
など、経理部が使うメールの“全送信元を正しく登録”できます。
Outlookドメイン で PASS の判定を得るためには必須です。
2. Outlook対策の本丸「DKIM署名」の設定
■ DKIMとは?
メール本文に電子署名をつける仕組みです。
これを設定すると、受信側は
「このメールは正しく本物のサーバーから送られ、途中で改ざんされていない」
と判断します。
■ Microsoft(Outlook)が迷惑メールに入れる最大の理由
Outlookドメイン は DKIM がないメールを
“信頼度が低いメール”として扱います。
経理部の重要メールこそ DKIM が必須です。
■ サクラでのDKIM設定は簡単
- メールコントロールパネルで DKIM鍵を生成
- DNSにTXTレコードとして公開鍵を登録
- 「有効化」するだけ
これで Outlook での迷惑メール率が激減します。
3. 迷惑メール判定の最終ルール「DMARC」設定
DMARC は
- SPF
- DKIM
の両方のチェック結果をもとに
**受信側がどう扱うべきか指示する“最終ルール”**です。
■ 経理部向けの安全な初期設定
まずは柔らかい設定でOK:
v=DMARC1; p=none; rua=mailto:〇〇〇@〇〇〇.com; pct=100;
これにより、受信側に
「このドメインは適切にメール認証を管理している」
と伝えられ、信頼度が上がります。
4. 経理部で起こる“メール不達”の主な症状と解決方法
● Outlookだけ届かない
→ DKIM未設定の可能性が極めて高い
● Gmailには届くが取引先には届かない
→ SPFにWEBフォーム送信元IPが含まれていない
● 相手に迷惑メール扱いされる
→ DMARC未設定 or SPF未整備
● 「請求書を送ったのに届いていない」と言われる
→ ほぼ認証設定の問題
まとめ|経理部は“メールの信頼性”が生命線
経理部で扱うメールは、
届かないだけで信用問題になる重要データばかり。
そのため、
- SPF
- DKIM
- DMARC
の3つは“やって当たり前”の時代になっています。
特に Outlookドメイン(Microsoft)対策は必須で、
認証設定を整えるだけでメール配信品質は劇的に改善します。その結果メールが戻ってきてしまう問題はほとんど解決できます。


